<和訳>
中華人民共和国国務院令
第551号令
「廃棄電器・電子製品回収処理管理条例」は2008年8月20日に国務院第23回常務会議で採択され、ここに公布し、2011年1月1日から施行する。
国務院総理温家宝
2009年2月25日
第一章 総則
第一条
本条例は、廃棄電器電子製品の回収処理活動を規範化し、資源の総合的な利用及び循環経済の発展を促進し、環境を保護し、人体の健康を保障するために、「中華人身共和国クリーン生産促進法」及び「中華人民共和国固形廃棄物汚染環境防止法」の関連規定に基づき、制定されたものである。本条例の内容は、以下の通りである。
第二条
本条例にいう廃棄電器電子製品の処理活動とは、廃棄電器電子製品を分解し、その中から物質を抽出して原材料又は燃料とし、廃棄電器電子製品の物理、化学的特性を変化させる方法により、発生した廃棄電器電子製品の数量を減少させ、その危害成分を減少させるか、又は除去すること及び最終的にそれを環境保護要求に合致する埋め立て場に移す活動をいい、製品の補修、作り直し及び補修し、作り直した後に中古品として再使用する活動を含まない。
第三条
「廃棄電器電子製品処理目録」(以下「目録」という。)に記載されている廃棄電器電子製品の回収処理及び関連する活動に本条例を適用する。
国務院資源総合利用主管部門は、国務院環境保護、工業情報産業等の主管部門と共同で「目録」を制定及び調整し、国務院の認可を経た後に実施する。
第四条
国務院環境保全主管部門が国務院資源総合利用、工業情報産業主管部門と合同で責任をもって廃棄電器・電子製品回収処理に関する政策と措置の作成を組織し、その実施を調整し、廃棄電器・電子製品処理に対する監督・管理を行う。国務院商務主管部門は廃棄電器・電子製品回収の管理活動に責任をもつ。財政、商工、品質監督、税務、税関などの国務院主管部門は各自の責務の範囲内で関連管理活動に責任をもつ。
第五条
国は、廃棄電器電子製品について多種のルートによる回収及び集中処理制度を実施する。
第六条
国は、廃棄電器電子製品の処理について資格許可制度を実施する。設区市級人民政府環 1
境保護主管部門は、廃棄電器電子製品処理企業(以下「処理企業」という。)の資格を審査認可する。
第七条
国は、廃棄電器電子製品処理基金を確立し、廃棄電器電子製品の回収処理費用の補助に使用する。電器電子製品の生産者、輸入電器電子製品の荷受人又はその代理人は、規定に従い、廃棄電器電子製品処理基金の納付義務を履行しなければならない。廃棄電器電子製品処理基金は、予算管理に組み入れ、その徴収、使用、管理の具体的な弁法は、国務院財政部が国務院環境保護、資源の総合利用、工業情報産業等の主管部門と共同で制定し、国務院の認可を経た後に施行する。
廃棄電器電子製品処理基金の徴収基準及び補助基準の制定については、十分に電器電子製品生産企業、処理企業、関連する業界協会及び専門家の意見を聴かなければならない。
第八条
国は廃棄電器・電子製品処理に関する科学研究、技術開発、関連技術標準の研究および新技術、新しいプロセス、新しい設備のモデル、普及と応用を奨励し、支援する。
第九条
国が輸入を禁止する廃棄電器・電子製品に対し輸入してはならない。
第2章関連者の責任
第十条
電器電子製品の生産者、輸入電器電子製品の荷受人又はその代理人が生産、輸入する電機電子製品は、国の電器電子製品汚染抑制に関する規定に合致し、資源の総合利用及び無害化処理に有利な設計方案を採用し、無毒無害又は低毒低害及び回収利用しやすい材料を使用しなければならない。
電器電子製品上において、又は製品説明書において、規定に従い関連する有毒有害物質の含有量、回収処理の注意的説明等の情報を提供しなければならない。
第十一条
国は、電器電子製品生産者が自ら、又は販売者、補修機構、アフター・サービス機構、廃棄電器電子製品の回収経営者に委託して、廃棄電器電子製品を回収することを奨励する。電器電子製品の販売者、補修機構、アフター・サービス機構は、その営業場所のわかりやすい場所に廃棄電器電子製品回収処理の注意的な情報を標記しなければならない。
回収された廃棄電器電子製品は、廃棄電器電子製品処理資格を有する処理企業が処理しなければならない。
第十二条
廃棄電器・電子製品回収経営者は多種の方式で電器・電子製品のユーザーのために便利かつ快適なリサイクルサービスを提供しなければならない。
廃棄電器電子製品回収経営者が回収された廃棄電器電子製品を処理するには、本条例の規定に従い、廃棄電器電子製品の処理資格を取得しなければならない。処理資格を取得していない場合、回収された廃棄電器電子製品を、廃棄電器電子製品処理資格を有する処理企業
に処理させなければならない。
回収された廃棄電器電子製品を修理して販売する場合、人体の健康及び人身、財産安全等の国家技術規範の強制性要求に合致し、かつ、わかりやすい位置に中古品の標記をしなければならない。具体的な管理弁法は、国務院商務主管部門が制定する。
第十三条
機関、団体、企業事業単位が廃棄電器電子製品を、廃棄電器電子製品処理資格を有する処理企業に処理させた場合、国家の関連規定に従い資産の消し込み手続を行う。
国の秘密に係る廃棄電器・電子製品を処理する場合には、国の機秘を守る規定に基づき取り扱う。
第十四条
国は処理企業が電器・電子製品の関連生産者、販売者および廃棄電器・電子製品回収経営者などと長期にわたる協力関係を打ち立て、廃棄電器・電子製品を回収、処理することを奨励する。
第十五条
廃棄電器・電子製品を処理する場合には、資源の総合的利用、環境保全、労働安全、人体健康の保障に関する国の要求に合致しなければならない。
国が明文をもって淘汰を命じた技術とプロセスで廃棄電器・電子製品への処理を禁止する。
第十六条
処理企業は廃棄電器・電子製品処理に関する日常環境モニタリング制度を確立しなければならない。
第十七条
処理企業は、廃棄電器電子製品のデータ情報管理システムを確立し、所在地の区設市級人民政府環境保護主管部門に対して廃棄電器電子製品の処理に関する基本データ及び関連する情報を送付しなければならない。廃棄電器電子製品の処理に関する基本データの保存期限は、3年を下回ってはならない。
第十八条
処理企業による廃棄電器電子製品の処理は、国の関連規定に従い税収優遇を享受する。
第十九条
廃棄電器・電子製品を回収、貯蔵、運輸、処理する部門と個人は、国の環境保全および環境衛生管理に関する規定を守らなければならない。
第3章 監督・管理
第二十条
国務院資源総合利用、品質監督、環境保全、工業情報産業などの主管部門は規定の職責に基づき廃棄電器・電子製品処理に関する政策と技術規範を定める。
第二十一条
省級人民政府環境保全主管部門は同級の資源総合利用、商務、工業情報産業主管部門と合同で当該地区の廃棄電器・電子製品処理に関する発展計画を作成し、国務院環境保全主管部門へ報告してその記録に載せる。
地方人民政府は廃棄電器・電子製品回収処理を目的にするインフラ建設を都市・農村計画に組み入れなければならない。
第二十二条
廃棄電器・電子製品処理資格を取得し、「中華人民共和国公司登録管理条例」などの規定に基づき登録手続きを行い、その経営内容の中に廃棄電器・電子製品処理企業を明記してこそ、はじめて廃棄電器・電子製品処理事業に従事することができる。
本条例第34条が定める場合を除き、廃棄電器電子製品処理資格を取得していない単位及び個人が廃棄電器電子製品を処理することを禁止する。
第二十三条
廃棄電器電子製品の処理資格の申請は、次に挙げる条件を具備しなければならない。
(一)完全な廃棄電器電子製品処理施設を有すること。
(二)完全処理できない廃棄電器電子製品の適切な利用又は処置計画を有すること。
(三)処理する廃棄電器電子製品に応じた選別、包装及びその他の施設を有すること。
(四)安全、品質及び環境保護に関する専門技術人員を有すること。
第二十四条
廃棄電器電子製品処理資格の申請は、所在地の設区市級人民政府環境保護主管部門に書面による申請を提出し、関連する証明資料を提供しなければならない。申請を受理した環境保護主管部門は、完全な申請資料を受領した日から60日以内に審査を完了させ、認可又は不認可の決定を行わなければならない。
第二十五条
県級以上の地方人民政府環境保全主管部門は書面で審査し、現地で調査を行う方法で、廃棄電器・電子製品処理活動への監督・検査を強化しなければならない。
第二十六条
いかなる部門と個人は関連部門に本条例の規定に違反する行為を摘発する権限を有する。連部門は摘発者のために秘密を保ち、法に依って適時に処理しなければならない。
第4章 法律責任
第二十七条
本条例の規定に違反し、電器電子製品の生産者、輸入電器電子製品の荷受人又はその代理人が生産し、輸入した電器電子製品上において、又は製品説明書において規定に従い関連する有毒有害物質の含有量、回収処理の注意的説明等の情報を提供しなかった場合、県級以上地方人民政府品質監督部門は、期限を定めて是正を命じ、5万元以下の過料に処する。
第二十八条
本条例の規定に違反し、廃棄電器電子製品処理資格を取得せずに、無断で廃棄電器電子製品の処理活動に従事した場合、工商行政管理機関は「無許可証経営取締弁法」の規定に従い処罰する。
環境保護主管部門が取り締まる場合、県級以上人民政府環境保護主管部門は、休業、閉鎖を命じ、違法所得を没収し、かつ5万元以上50万元以下の過料を併科する。
第二十九条
本条例の規定に違反して、国が明文で淘汰を命じた廃棄電器・電子製品の処理技術とプロセスを採用する場合、県級以上の人民政府環境保全主管部門が期限限定で、改正を命じ、犯情が悪質なものに対し、区を設けている市級人民政府環境保全主管部門が法に基づきその廃棄電器・電子製品処理資格を一時中止ないし取り消す。
第三十条
廃棄電器・電子製品処理によって環境汚染を招いた場合、県級以上の人民政府環境保全主管部門が固形廃棄物環境汚染防止の関連規定に基づき処罰する。
第三十一条
本条例の規定に違反して、処理企業は廃棄電器・電子製品のデータ情報管理システムを構築しておらず、規定に基づき基本データおよび関連状況を報告しない若しくは基本データを報告したが、関連状況が真実でない又は規定した期限に基本データを保存していない場合、所在地の区を設けている市級人民政府環境保全主管部門が期限限定で、改正を命じ、5万元以下の過料に処することができる。
第三十二条
本条例の規定に違反して、処理企業は日常環境モニタリング制度を確立しない又は日常モニタリングを実施しない場合、県級以上の人民政府環境保全主管部門が期限限定で改正を命じ、5万元以下の罰金に処することができる。
第三十三条
本条例の規定に違反して、関連行政管理部門の職員が職権を乱用し、職責を怠り、私情にとらわれ不正を行い、犯罪を構成する場合、法に依って刑事責任を追及する。犯罪を構成しない場合、法に依って行政処分に処する。
第5章 附則
第三十四条
省級人民政府の認可を経て、廃棄電器電子製品集中処理場を設立することができる。廃棄電器電子製品集中処理場は、完全な汚染物集中処理施設を備え、国家又は地方が制定した汚染物排出基準及び固体廃棄物環境汚染防止技術基準への合致を確保しなければならず、かつ、本条例の関連規定を遵守しなければならない
第三十五条
本条例は2011年1月1日より実施される。
1215 废弃电器电子产品处理资格许可管理办法(环境保护部令第13号)